ゆるゆるループ、ときどきジャンプ。

おじいちゃん猫に音楽と映画そして日々の思いも

映画『アメリカン・ユートピア』が最高!



先月、凍えそうに寒い思いをしたため、今回はやや厚着、しっかりはおるものも持ち、いざ映画館へ!
踊りだしたくなるほど楽しい映画に、寒いどころか暑いくらい…
曲が終わると思わず拍手しそうになってしまった。
観ることできて本当にヨカッタ、アンコール上映に感謝。

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こんなライヴ映画見たことない『アメリカン・ユートピア』


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2020年制作 アメリカ
監督 スパイク・リー

映画の原案となったのは、2018年に発表されたアルバム「アメリカン・ユートピア」。この作品のワールドツアー後、2019年秋にスタートしたブロードウェイのショーが大評判となった。2020年世界的コロナ禍のため再演を熱望されながら幻となった伝説のショーはグレーの揃いのスーツに裸足、配線をなくし、自由自在にミュージシャンが動き回る、極限までシンプルでワイルドな舞台構成。マーチングバンド形式による圧倒的な演奏とダンス・パフォーマンス 元トーキング・ヘッズのフロントマン、デイヴィッド・バーンと11人の仲間たちが、驚きのチームワークで混迷と分断の時代に悩む現代人を”ユートピア”へと誘う。(アメリカン・ユートピア公式サイトより)

americanutopia-jpn.com



一言で言うとこんなライヴ映画見たことない!
ミニマルなのにゴージャス、デジタルなのにアナログ…
こんな発想、デイヴィッド・バーンじゃなきゃ思いつかないと思う。
いや~感服した、すごかった。

36年前、今はもう無い札幌の「ジャブ70」というミニシアターで観た「ストップ・メイキング・センス」に大興奮したけれど、この「アメリカン・ユートピア」にはぶっ飛ぶ思い。
36年前というと、私は…(過去記事に書いていました)

yuraneco.com

 

映画の冒頭、デイヴィッド・バーンはプラスティックの脳を持ち1人で登場、1曲歌った後、人間の脳の進化について語り始める。

…人との出会いは難しい、ただ本当はどんなことより人との出会いが面白い、人は何よりも人をいちばんよく見ている。

この語りだけでも、もう気持ち持っていかれる感覚があり、メンバーが1人づつ登場してきてどんどん胸は高鳴る、もう止められない。

69歳(この映画の時は67歳)になったデイヴィッド・バーンが歌い、踊り、ギターを弾く…その姿は若々しく動きは軽やか。
トーキング・ヘッズの曲を演奏しても全く懐メロ感がなく、今のデイヴィッド・バーンを表現していることにとにかく驚いた。
しかもヘッズの頃より、歌うまくなってるかも…。
 


www.youtube.com


ニュープリント版での上映もあったよう、札幌では1日だけ。
私はビデオを持っているけど、もうカビが生えていて観ることできず (;^ω^)

 

マーチングバンドのようなパーカッション


PAもない、ドラムセットや鍵盤楽器もない、ケーブル類も一切ない。
3面に張られたすだれのような細い縦のロープを手で割り、手持ちか首から吊られた楽器を持ったバンドメンバーが出入りする演出は、レトロ感も漂い何とも不思議。

基本的に楽器は持たない歌うダンサー2人を含めた12人構成のマーチングバンドは、パーカッション担当が半分を占める6人。
この6人の叩き出すリズムにガツンとやられる、もうこれは理屈じゃないのです!

子供の頃から、マーチングバンドのドラムがカッコイイなと思っていた。
小学生の時ちょっとだけ、マーチングバンドでトワラ―をやったことがあるのだけど…
バレエを習っていたから何となくそうなっただけで、本当はドラムをやってみたかった思い出が…。

 

本編からの演奏シーンの映像、上から映すマーチング・バンドのカッコよさ


www.youtube.com


そして、ひそかに目を引く女性ギタリスト。
彼女の弾くギターがとってもカッコよかった ^ ^

 

デイヴィッド・バーンからのメッセージ


演奏シーンはすべてがカッコよく、瞬きもできないくらい釘付けになりながら、観客に話しかけるようなMCも、これまたバーンらしく知的だ。

翌年のアメリカ大統領選挙に備えて、投票登録を促すバーン…
一瞬、突拍子もないような(日本人にはちょっとわからない感覚)気がしたけれど、映画が進むうちに見えてきた。

このバンドは多国籍バンドで様々な国のメンバーで構成されている。
デイヴィッド・バーン自身がスコットランドで生まれ、幼児の時アメリカへ移住、帰化した自分も含め、アメリカには移民がたくさんいる…
「移民がいなければ何もできない…」
とメンバー紹介で囁いたのが、とても印象的だった。

トランプ政権でおかしなことになっていた移民問題や人種差別…
国民の意識の低さを呈し、投票の大切さを彼はさらっと伝えた。

この映画のクライマックスは、ブラック・ライヴズ・マターを訴えるプロテストソング「Hell You Talmbout」を、メンバー全員がパーカッション楽器を持ち熱唱するシーン。
その叫びがだんだん苦しくなってきて、語弊があるかもしれないけれど、早く終わってほしいと思うくらいに…。

大喝采の後、次の曲が始まり安心した私は、残念ながら平和ボケした日本人だ。

面白い見解の文章も偶然見つけた。

realsound.jp

 

デイヴィッド・バーンの踊りも可愛かった


『アメリカン・ユートピア』のバンドでのライヴ動画もUPされている。
不思議な振り付けの踊りを踊る、何とも可愛いバーンさん。
映画ではもうちょっとビシッと踊っていたかも (;^ω^)


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再演を熱望される中コロナで叶わず、映画として幸運にも目にすることができたけど、いつかこの形でのライヴが実現され、日本に来ることなんかがあったりしたら、絶対観に行きたい。

コロナ禍じゃなくてもライヴからは足が遠のいている私…
『アメリカン・ユートピア』を観て、やっぱライヴはいいなぁ~と思い出した。

そして、スパイク・リーの映画は2000年代になってから、全く観ていないことにも気づき、観なければと思っているところ。


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