ゆるゆるループ、ときどきジャンプ。

おじいちゃん猫に音楽と映画そして日々の思いも

映画『Fishmans』を観てきました



一昨日、リハビリ通院の帰りに映画『Fishmans』を観に行った。
『家族を想うとき』(ケン・ローチ監督)を観に行って以来、1年半以上ぶりとなる映画館だ。
冷房が苦手なため、夏の映画館は覚悟がいることちょっと忘れていました。
羽織るものはもちろん持参したけれど甘かった、かなり寒かった~ (⋟﹏⋞)

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音楽映画ではない『Fishmans』


まず最初にこの映画は音楽映画ではない。
上映時間172分の大作ながら、その長さを感じさせず最後まで観ることができたドキュメンタリー映画である。

フィッシュマンズ結成から現在に至るまで、メンバーや関係者のインタヴュー、そして過去の映像が入りまたインタヴュー…
それを繰り返しフィッシュマンズというバンドを浮き彫りにしていく。

明るいバンドだった頃の楽しそうな映像には頬がゆるんだけれど、映画として作品としてどうかと問われると、私はちょっと。。。

ボーカル・佐藤伸治の急逝から22年。
仲間たちは佐藤が残した曲を演奏しつづけている。
172分。心ふるわす音楽が今、鳴り響く。

 
この映画を撮った監督は、サトちゃんが亡くなった後にフィッシュマンズに出会った世代。
だからダメとか言うつもりは毛頭ないし、客観的に見ることができるからこそ関係者が避けてしまうようなことにも触れ、メンバーも正直に話したのかもしれない。
でも、ただそれらの言葉をつなぎ映像にされても、私に伝わってきたのは空虚感だった。

残念ながら音楽は鳴り響かない…。

小嶋さん(ギター)がやめ、ハカセ(キーボード)がやめ、目から血を流しながら(と言われていた)フィッシュマンズの音を築き上げてきたサウンド・エンジニアZAKがやめ…
それでもフィッシュマンズはやめない、続けていくとずっと言い続けていたサトちゃんは、柏原さん(ベース)がやめることになった最後のライヴの数ヵ月後、自分が人生をやめてしまった。
公式な発表では病気のためとなっているけど、そうではないことみんな知っている。

小嶋さんがやめた時のショックが相当大きかったサトちゃんは、人のやめていくことがトラウマのようになり、どんどん自分を追いつめていった。
結成時から一緒に1つのものを作り上げてきたメンバーに代わりなんていないし、そこから少しづつ壊れていく感覚は痛いほどわかる…。
そこを乗り越えていけるバンドもあるけど、サトちゃんはそうじゃなかったのだと思う。
そこが仇になってしまい、さらに音に厳しく、たぶん無理難題を課し、メンバーがやめていくような、音の居場所がなくなるような要因を、そんなこと望んでいないのにサトちゃん自ら作ってしまっていたのだと思う。

サトちゃんのキラキラした瞳が映画後半になるにつれ、どんよりと曇っていく。
TV出演時の映像も使われていて、自分もそれをリアルタイムで観ていたけれど、ライヴの時とは別人のように沈んでいる…。

33歳での死はあまりにも早すぎると思いながら、映画を観ていてそれは逃れられなかったのかもしれないとあらためて思った。

 

音楽映画の『Fishmans』が観たい


この映画はフィッシュマンズの過去を辿り、1人残された欣ちゃん(現スカパラ・ドラム)がゲストVOを招き活動を続けている、現在のフィッシュマンズからさらに未来へと繋がっていく映画だ。
メンバーがやめていってもフィッシュマンズはやめない!
その意思を引き継ごうって気持ちも、欣ちゃんにはあるのかもしれない。

映画の最後に欣ちゃんが、「サトちゃんが歌わないフィッシュマンズはもう聴かないし、ライヴにも行かないっていう聴き方(=私だわ)全然ありです、それも音楽との関わり方だから」みたいなことを言っていた。

映画のエンディングは、現在のフィッシュマンズのライヴ演奏シーン。
これが残念ながら、いきなり J-POPのように聴こえ(見え)、クラムボンの女性VOがリズムに揺れている姿に興ざめした。

欣ちゃんのポジティヴでいつも前向きな姿勢は応援したいけど、やっぱ私には無理だ。
私の中でのフィッシュマンズはすでに99年で終わっていて、映画を観てその気持ちはさらに強くなった。

丁寧にインタヴューを重ねていった監督、苦しい胸の内を話してくれたメンバーには感謝だけど…
でも正直言って、音楽映画『Fishmans』を私は観たい。


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デビュー曲といちばん好きな曲


デビュー当時のフィッシュマンズはレゲエ・バンドだった、レゲエ心のないレゲエ・バンド ^^
私、レゲエってあまり好みではなく、このデビュー曲「ひこうき」を初めて聴いた時、実は特に引っかからなかった。
すごく清志郎っぽく聴こえたし、正直う~ん…という感じで。

最後のライヴで演奏した「ひこうき」、映画でもこのシーンは使われていた。
サトちゃんのヘタだけど魂込めたギターソロに鼻の奥がつ~んとして、ちょっと涙が出た。
この赤坂BLITZでの最後のライヴ、私もこの場にいます…。


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この曲の後、目をうるませて悲しいMCに入るのだけど…
その時、サトちゃんが歌う次のライヴはもうやってこないことなど知るすべもない。

私はフィッシュマンズ後期、レコード会社を移籍し、浮遊感と沈んで行く感じが入り混じった音になってからの彼らの方が好きだ。
バンド的には混沌として、危ういバランスの上に成り立っていた時期のフィッシュマンズ。

アルバム『宇宙 日本 世田谷』の頃には、サトちゃんのデモは完璧な形に出来上がっていて、そこから脱却するのは難しく…柏原さんは脱退する意志を固めていた。
 

宇宙 日本 世田谷

宇宙 日本 世田谷

Amazon

 

フィッシュマンズのというより、もうサトちゃんだけの世界なのかもしれない。
でも、やっぱこの曲が好き。
作品の形で世に出たら、もうそれが全てなんだと思う…。


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ちっちゃい顔にニット帽、ストライプのロンTのサトちゃんは小動物のような可愛らしさだった。

映画の中でサトちゃんのお母さんが、欣ちゃんに写真を見せるシーンがあるのだけど、サトちゃんと飼っていたリスの写真がもう~激カワで、サトちゃんとリスがおんなじ顔をしていた。

映画でいちばん印象的だったのはその写真のシーンかもしれない。

 

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洗濯物取り込んだ時、ちょっとフィッシュマンズのCDを並べてみた。
影が映り込まないように撮ったら、何か気持ち悪い感じになっちゃった…。
ミニアルバムは所持していないものもあるけど、アルバムは全て持っている。
…はずなのが何と1枚見当たらない (T_T)

どこいっちゃったんだろう…
ずいぶん前にまとめて弟に貸した記憶がある、もしかして1枚紛れ込んじゃっているのかもしれない。
CDで聴くことまずないのに、ないとなると必死で探す(;^ω^)


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