一昨日は全く嬉しくない自分の誕生日でした。
同じ誕生日生まれの有名人がけっこういるのですが、ブルース・リーもそのうちの1人。
そのブルース・リーの息子、ブランドン・リーが主演した映画「クロウ/飛翔伝説」を観ました。
1994年制作 アメリカ
アレックス・プロヤス監督
原作はコミック。不死身のヒーローが哀しみに満ちた復讐を通して、愛の不滅をうたうダーク・ファンタジー。主演のブルース・リーの息子ブランドン・リーが、撮影中の発砲事故により28歳で死亡、本作が遺作となった。
あらすじ
近未来のデトロイト。ハロウィンの前日にあたる10月30日の夜は「デビルズ・ナイト」と呼ばれ、無法者たちが破壊と暴虐の限りを尽くしていた。ある年の10月30日、ロックシンガーのエリックと婚約者シェリーが無法者4人組に惨殺されてしまう。それから1年後。死者の魂を冥界へ導くカラスがエリックの墓をつつき、彼を死から呼び戻す。人間界に蘇ったエリックは、自分とシェリーを殺した一味への復讐を誓う。
(ザ・シネマより)
感想
「ダークナイト」のクリストファー・ノーラン監督は、もしかしたらちょっとこの「クロウ」の影響を受けていたのでは…
と個人的には思ってしまうくらい、エリック(ブランドン・リー)はヒース・レジャーのジョーカーを彷彿とさせた。
エリックは、幸せだった頃の記憶と襲われた夜の記憶のフラッシュバックに苦しみながら、復讐相手のみを殺していく。
そして旧知の人にはやさしい、人間の心を持ったままのダーク・ヒーローだけど。
物語の大半を陰鬱さ漂う“雨”と“夜”のシーンで構成、色のトーンを全体的におさえ、黒(死と暗闇とカラス)を際立たせた映像がスタイリッシュ。
部屋に残されていた白い猫も美しい。
そんなカッコいい世界観なのかと思っていたら、エリックが突然背中にギターをぶら下げていたり、復讐の赤に染まる空の下、ビルの屋上でギターを弾きそれをぶち壊したり、悪役の大元はなぜか日本刀を背負い、それが全然強そうじゃなかったり…
ところどころ狙ったかのようなダサさが、ちょっと恥ずかしい (;^ω^)
とにもかくにもゴシックで退廃的な世界観、ファッションも音楽も全てにおいて、ザ・90's前半の匂いがぷんぷんする映画でした。
エリックが墓場から蘇り、殺された部屋で白塗り化粧をしている時に流れ出す音楽ー
すでに知らない曲だったけど声ですぐわかり、テンション上がる~
私の中ではいちばんカッコいいシーン。
キュアーは、メンバーの入れ替わりと音楽性の変遷を繰り返しながら現在まで、40年以上活動しているイギリスのバンドです。
私は80年代前半、キュアーが大好きでした。
ポップで好きな曲がたくさんあるので、また今度紹介したいと思います。
キュアーの ♪burnを始め、次々とこの時代のバンドの曲、バイオレント・ファムズやジザメリなどが流れてきて、ある意味90年代ロック映画のようにも感じました。
同年のMTVムーヴィー・アワードでは、ストーン・テンプル・パイロッツによる主題歌「Big Empty」が歌曲賞を受賞。
こちらのMVはアコースティック・ヴァージョン。
Big Empty (acoustic) - Stone Temple Pilots
この映画の撮影中、空砲で撃たれるはずのシーンで、実際に弾丸が発射されてしまいブランドンは死亡。
殺人説や陰謀説もある中、事故死ということで解明はされています。
映画のエンディングには「ブランドンとエリザに捧ぐ」とクレジットが…。
エリザは婚約者で、撮影後に結婚するはずだったとのこと。
劇中の役柄上、渡された銃で誤射してしまったマイケル・マッシーは、事故がトラウマとなり一生乗り越えられないと語っていました。
そんな思いを抱えながら、数々の映画やドラマに出演し、2016年に病気で他界しています。
The Crow (1994) Official Trailer - Brandon Lee Movie HD
もし今もブランドンが生きていたら、きっと大きなハリウッドスターになっていたことでしょう。
ブランドンのアクション・シーンが中心でありながらも、時折見せる繊細な表情がとても印象的な映画です。