ゆるゆるループ、ときどきジャンプ。

おじいちゃん猫に音楽と映画そして日々の思いも

『ルイス・ウェイン 生涯愛した妻とネコ』を観てきました



映画館で映画を観ることが自分にとっての日常になると、もう止めどがない。
趣味のひとつにランチ食べ歩きがあるのだけど、それが映画とセットになってしまうだなんて小市民の自分には何だか贅沢なような…今はバレエに行けないのでそれも良しとしよう。
少しだけ肩の調子が上向きになってきたため、痛くない範囲でおうちヨガを再開。
ダウンドッグすらできない状態が続いていたのが、昨日は半年ぶりくらいでできちょっと感動。
ゆっくり少しづつ…ですね。

 

『ルイス・ウェイン 生涯愛した妻とネコ』あらすじ


2021年制作 イギリス/監督 ウィル・シャープ

猫をモチーフにしたイラストで人気を集めたイギリスの画家ルイス・ウェインの生涯をベネディクト・カンバーバッチ主演で描いた伝記映画。

あらすじ
イギリスの上流階級に生まれたルイス・ウェインは、父亡きあと一家を支えるために、ロンドンニュース紙でイラストレーターとして活躍。やがて、妹の家庭教師エミリーと恋に落ちたウェインは、身分違いだと反対する周囲の声を押し切り結婚するが、まもなくエミリーは末期ガンを宣告される。庭に迷い込んだ子猫にピーターと名付け、エミリーのために猫の絵を描き始めるウェイン。深い絆で結ばれた“3人”は、残された一日一日を大切に過ごしていくが、エミリーがこの世を去る日が訪れる。ウェインはピーターを心の友とし、猫の絵を猛然と描き続け大成功を手にする。そして「どんなに悲しくても描き続けて」というエミリーの言葉の本当の意味を知る。(映画.comより)

 

『ルイス・ウェイン 生涯愛した妻とネコ』感想


カンバーバッチが演じるルイス・ウェイン、可愛い猫とイラスト、私の好きなコスチュームもの…
映画館で流れた予告編を観て絶対行こうと思っていた作品だ。
その予告編だけでちょっとうるっときていた私、これは泣くなと思ったけれど想像していた病気+美しい夫婦愛モノの印象は、いい意味で裏切られることに…

特別映像にショート予告編をつなげたもの(2分)
ハチワレ猫のピーターが激カワです (♥ω♥*)


www.youtube.com


今でいうイラストレーターと10歳年上の知的な教職者、ちょっと変わり者同士たぶんソウルメイトってやつ…
そんな2人と猫ピーターとの幸せな暮らしが描かれる前半は、猫の可愛さと絵画のような景色の美しさにただただ心を奪われる。


それにしても3年で最愛の人に旅立たれてしまい、寂しさを埋めるように猫の絵を描き続けながら、父のいない一家の長兄として引き続き家計も支え続けなければならない。
6人きょうだいで自分以外の全員が女、しかも全員嫁ぎ先はなく生涯独身というすごい家系…。
肩にのしかかる重圧に加え、優しく騙されやすくいいように使われ、版権関係などがずさん過ぎるゆえ、働いても働いてもお金に困る一生を送ったルイス・ウェイン…
それは精神も病むってものだ、不幸すぎる。


何度も現れる溺れそうになり助けを乞う幻覚、死んでしまったピーターを忘れられず子供のように泣き続けるシーンは辛い。
床に横たわり動かなくなっているピーターが、仕事から帰宅したら冷たくなっていたユウちゃんと重なり、心臓がバクバクしてきた。
最初の猫を亡くすことは、言葉に尽くせない悲しみに襲われ立ち直れないもの…。

人気のかげりと並行し精神的な不安定さは増し、亡くなった妹と同じように精神病を発症、精神病院の貧困者用病棟に収容され満足のいかない生活を強いられていたところ、映画の冒頭シーンで出会っていたある人によって著名人も巻き込み、ルイスを助ける運動が起き治療環境は改善される。

全く把握していなかったのだけど、そのシーンでH.G.ウエールズ役としてニック・ケイヴが出ていた。
下を向きラジオで原稿を読んでいるような場面のため顔がほぼ見えないのだけど、上から映すだけでわかってしまう個性的なニック・ケイヴを観ることができたのも嬉しかった ^ ^


そして、絵を描き続ける本当の意味がわかる心のハッピーエンドで映画は終わり、ちょっと救われたような気分になった。

晩年のルイスは、庭には猫もいる施設で穏やかに過ごし、表情も元々のルイスのように穏やかになっていったそうで、本当によかった…。
猫がペットではなくまだ蔑まれていた時代、猫の可愛らしさ面白さをイラストで描き、人の心を明るくし楽しませ、猫に対する意識を変えた功労者ルイス・ウェインの物語。
…もう一度観たい。

 

カンバーバッチの凄さ

 


BBC製作のドラマではゴッホ役を演じたカンバーバッチ、映画ではゴッホ役がウィレム・デフォー、牧師役でマッツ様も出ていたので映画の方が期待大だったのだけど、カンバーバッチのゴッホの方が断然面白かった。
狂気を秘めた役やどんどん壊れていく役、変わり者の役などを演じると、カンバーバッチの右に出る者はいないと思うくらい、本当に演技が素晴らしくて恐れ入る。

ドラマ「シャーロック」のカンバーバッチはちょっとカッコよすぎかな(大好きだけど)、ルイス・ウェインのようなキュートだけどちょっと変な人の役がいちばん魅力的な気がする。

パンフレットも買ってきたので、ルイス・ウェインの可愛いイラストのページを載せようと思い写真を撮ったものの、グーグル・フォトの容量がいっぱいいっぱいでうまくいかず…
でも、公式サイトには可愛いイラストやヒグチユウコさんのコラボイラストなんかも載っていて、ものすごく可愛いの♪
猫好きさん、是非のぞいてみてくださいね。

louis-wain.jp