先日、通りがかりで全く予定していなかったウポポイ(民族共生象徴空間)へ行って来ました。
サイトを見ることすらしておらず何の知識もない状態だったため、国立アイヌ民族博物館だけを観て、隣接する建物を「あれ何なんだろうね?」などと言いながらさっさと帰って来てしまった。
アイヌ民族の手仕事に関する工房、家屋群が再現されたエリアなどもあったことは、後からサイトを見て知るはめに…。
しまった~、これはリベンジが必要かも。
ウポポイ(民族共生象徴空間)とは
ウポポイ(英語: Upopoy)は、北海道白老郡白老町にある「民族共生象徴空間」の愛称。主要施設として国立アイヌ民族博物館、国立民族共生公園、慰霊施設を整備しており、アイヌ文化の復興・創造・発展のための拠点となるナショナルセンターである。「ウポポイ」とはアイヌ語で「(おおぜいで)歌うこと」を意味している。
新型コロナウイルスの感染状況を踏まえ、オープン日が昨年の春から夏へと延期、その後も緊急事態宣言による臨時休業が続いていた。
10/1から営業再開となり、国立アイヌ民族博物館への入場には事前予約が必要だったようだけど、余裕があるとのことでそのまま入場することができた。
日曜日でこの状況って、まだまだ入場者数は厳しいのだろう。
小学校で教えられたアイヌの暮らし
私が小学校低学年の頃、社会科でアイヌの暮らしを学ぶ授業があった。
教科書とは別に札幌の歴史のような副読本があり、その中にアイヌ民族のことが書かれたページがあった。
いやもしかしたら、アイヌのことについて書かれた冊子が別にあったのかもしれない…大昔のことで記憶が曖昧だ。
でもその内容に、容姿や身体的特徴について書かれた箇所があり、そこだけはハッキリと覚えている。
なぜなら学校から帰ってすぐ「私ってアイヌなの?」と、母に聞いたことがあったからだ。
子供心に自分の顔立ちがちょっと濃いめで、他のコより毛深かったことを自覚していたため、純粋な質問として聞かずにはいられなかった。
…裏返せばそういった表現がなされていたということだ。
「違うよ」と言われ安堵したのは、何となく暗いものをその文章から感じ取っていたからだと思う。
札幌においては数が少なかったものの、アイヌの子供も学校には存在していたことを知ったのは高学年になってからだ。
病院で知り合ったアイヌ女性
やはり北海道という土地柄、アイヌ民族はある意味とても身近な存在だった。
私が子供の頃は、観光地のおみやげ屋さんの中にアイヌのコーナーがあり、アイヌ文様の上着を着たアイヌのおじさんが木彫りをしていたような記憶がある。
お店の前にはつながれた子熊もいた。
子熊と一緒に写った写真も残っていて、当時は犬のような感覚だった気がする。
イヨマンテ(イオマンテ)の説明コーナーに展示されていた子熊、可愛くて引き寄せられたのだけど、頭に刀が突き刺さっている飾りが…
熊の魂カムイは神々の元に帰って行くそうだ。
白老だったか阿寒だったか忘れてしまったけど、アイヌの集落が残っていて、チセ(家屋)の中に観光客を招き入れ、アイヌの生活を紹介する観光スポットのようになっていたことも覚えている。
女性の口元のシヌイェ(入れ墨)もその時初めて見た。
今では純粋なアイヌがずいぶん少なくなったそうだけど、祖母が入院していた時、同室の方が私より少し年上のアイヌ女性だった。
「夜中に咳をするのでおばあちゃん起こしてしまうかも」と、喘息で入院していた彼女が気にしていたので、「おばあちゃん眠りが深くて起きないから大丈夫ですよ」と言った私、すぐに仲良くなり毎日病院へ行くのが楽しみになった。
12,3歳で親ほどに歳の離れた人とただ子供を産むための結婚をさせられ、産んだ子供をすぐ取り上げられた上に勘当されたという悲惨な話、閉塞的なアイヌ部落内での差別問題など色々なことを話してくれ、いつの時代のことなのかどこの国のことなのかわからなくなるほどの衝撃を受けた。
そういった生い立ちが個人的なことなのかそうではないのかは、彼女の話しか聞いていないので定かではなく、言葉が正しいのかどうかもわからないのだけど…
彼女はその世界と縁を切り新しく戸籍を作り、日本各地でアイヌ舞踊の伝承を行い楽しいと話してくれた。
アイヌ文様の魅力
ウポポイから脱線した話ばかりになってしまいました (;^ω^)
国立アイヌ民族博物館内、フラッシュ禁止で撮影は自由とのことだったので、何枚か撮ってきた写真を載せますね。
伝統的なアイヌ文様や刺繍も今では少しニュアンスが変わり、洗練されたイメージのものも出てきたように思う。
以前、知人が着ていたアイヌ文様をモチーフにしたハリランのシャツなんかは、とてもスタイリッシュだった。
下に重なっている布が透けて見えてモダンな雰囲気
ふわっと可愛い運針表
他とはちょっと雰囲気が違うこの衣装がカッコよかった ^ ^
アイヌ民族の生活における様々な道具の展示があったのに、衣装や刺繍ばかりを写真におさめていた私…
それなのに工房で手仕事を見てこなかったのは残念すぎる。
樹皮や獣皮、木綿など色々な素材で作られたミニチュア衣服、「触れてみよう」と表示されていたけど、感染対策で触れられず。
実は個人的にいちばん紹介したい展示があったのだけど、長くなってしまったため次回にします。
お読みいただきありがとうございました ^ ^