このトランポリンでジャンプしているシーンは、映画館の予告で観た記憶があり、どうして作品を観る機会がなかったのだろう…
と思うほど、なぜだか観た気になっていた作品です。
実在のピアニスト、デイヴィッド・ヘルフゴットの半生を描いた感動作 『シャイン』
スコット・ヒックス監督作品 1995年 オーストラリア
- あらすじ
デヴィッドは、厳格な父親ピーターから英才教育を受けて育った。父親の反対を押切ってロンドンに留学。コンクールで世界一難しい大曲ラフマニノフの「ピアノ協奏曲第3番」を完璧に弾くが、直後に精神を病んでしまう。
- ラフマニノフの「ピアノ協奏曲第3番」
1本の手に10本の指があるつもりで弾け。ピアノを押さえ込め。演奏は1つ間違えると大怪我をするから気をつけろ。
Shine - Rachmaninoff Piano Concerto 3 (HD)
圧巻の演奏シーン♪
- 作品冒頭ピアノバーのシーンへ
精神病院を退院し、下宿生活をしているデヴィッド。
雨に濡れながら、ピアノがある閉店したワインバーの扉を叩く。
デヴィッドのことを、突然消えた天才ピアニストと思う人はいない中、誰もが耳を疑うような素晴らしい演奏を披露し、その後の世界は変わる。
Shine (1996) - Flight of the Bumblebee
「内なる音楽」は目覚め、一瞬にして周りの空気を変えるシーンがわくわくする ^ ^
バーのお客と一緒に私も、息を飲んで演奏に聴き入ったシーンです。
- 感想
久しぶりに見応えのある映画に出会えた。
人の魂を揺さぶる音を奏でることのできるアーティストは、自らの身を削ってこの域に達するのだろうか…
精神病院に入院し、ピアノを弾くことを禁じられていた11年もの歳月ー
陰鬱な11年間は彼にとって不幸な出来事ではあったけれど、その後の楽しそうにピアノを弾く姿から、病に倒れる前の繊細で張りつめたデヴィッドの姿はない。
それにしても倒れる前と、ハンディキャップを持つようになった後とでは、そこまで性格の傾向が変貌するのか、ちょっと驚いた。
それが幸か不幸かは言い難いけれど…
リサイタルを成功させた時のデヴィッドの表情が何とも言えず、涙が出た。
劇中のピアノ演奏をデイヴィッド・ヘルフゴット本人が演奏していることもあり、見応え聴きごたえのある音楽ドラマに仕上がっている。
成人したデヴィッド役のジェフリー・ラッシュが、アカデミー主演男優賞とゴールデングローブでも同じく主演男優賞を獲得した本作品―
私には、青年時代役のノア・テイラーが英国王立音楽学院の教授(サー・ジョン・グールグッド)からピアノの指導を受けるシーンがとても印象的。
この映画の見どころの1つでもあると思います。
父親ピーターが亡くなったことにより、子供時代の父親のために弾いていたピアノの呪縛から完全に解き放たれ、さらに未来が開けていくことを暗示させるエンディングまで見応えたっぷり…
もう一度、初めから観てみたい作品です。