昨日、デヴィッド・ボウイの誕生日に書いた記事に続き、今日も書きます。
ボウイと呼び捨てにするのもどうかと思いながら、ボウイって愛称のような感覚でずっと呼んでいて…
私の知ってる範囲では、ファンはそうなのではないかと感じています。
今日は、ボウイの歌声が鳴り響く大好きな映画『孤独な天使たち』を紹介します。
2012年制作 イタリア
ベルナルド・ベルトルッチ監督
2012年カンヌ映画祭特別招待作品として上映された本作は、ベルトルッチ監督が30年ぶりに母国イタリア語で撮った作品、残念ながら遺作となってしまった。ガブリエレ・サルバトレス監督作品「ぼくは怖くない」の原作者でもあるニッコロ・アンマニーティの同名小説が原作。
あらすじ
少し風変わりで孤独を愛する14歳のロレンツォは、両親に嘘をつき、学校のスキー旅行に行かずに、まる1週間好きな音楽と本だけで過ごそうと自分の住むアパートの地下で暮らすことを計画する。しかし、思いがけず異母姉のオリヴィアが現れたことですべてが一変、少年時代との別れを迎える主人公と、ふたりだけのかけがえのない瞬間をみずみずしく描く。
感想
ベルトルッチ監督は、70歳にしてどうしてこんなに青く、感性の若い作品を作ることができたのか、驚愕したと同時に思いっきり心を持っていかれた。
何がそんなに私の琴線に触れるのか…
予告編を見るだけで実は涙が出る、今もやっぱり涙が出てきた (;^ω^)、
スキー旅行ではなく、毎回スキー遠足に行かなかったのは私も同じだけど、私の場合は母にちゃんと断って休んだ。
だってお弁当のことがあるし、担任から電話がくるし…
高1の時の定年間近だった担任は、私に直接言ったらいいことを、わざわざ電話をかけてきて母に言う卑怯な男で心底嫌いだった。
私はこの担任と本当~に相性が悪く、かなり学校を休みながらも、バイトとバンドの練習には行っていた。
最初は母に隠れて休んだ、そして途中でバレて自分の考えを話し説得。
休むための説得というのもおかしな話だけど…。
それにしても母は、よく私の言動に目をつぶってくれたものだ。
私とは感覚も常識の範囲も違い、子供の頃は厳しく育てられたし、言いなりになるような甘い親ではない。
理解できないながらも、私のことを理解しようとしてくれ、頭からダメだとは決して言わなかった…
本当に感謝している。
条件反射のように涙が出るのは、嘘をついて隠れるシーンを最初に見た時、そういったことが蘇ってきたからなのかもしれない。
映画の冒頭部分、少年のヘッドフォンから流れてくる曲は
キュアーの ♪ボーイズ・ドント・クライ
そこでまずは、これ絶対好きな映画だ!ってワクワクする。
ベルトルッチ監督作品の中で、私はいちばん好き。
そして、予告編で流れるのが本編の挿入歌として使用されているボウイが歌う「スペイス・オディティ」のイタリア語バージョン「ロンリー・ボーイ、ロンリー・ガール」。
ラジオで偶然、この曲を知ったベルトルッチ監督は、ボウイが英語のアクセントを封じ込めながらイタリア語で歌うこの曲を『孤独な天使たち』の特定のシーンのために書かれたように思えたと語っている。
Ragazzo Solo, Ragazza Sola (David Bowie) con TESTO
オリジナルの「スペイス・オディティ」とは全然違う歌詞がつけられている
孤独な少年よ 今からどこへ?
夜は大きな海
泳ぐのなら 手を貸すけれど
ありがとう でも今夜僕は死にたい
僕の目の中には 天使がいるから
とべなくなった天使が
映画初出演で、異母姉弟を演じた2人の演技は初々しく、どこにも行けない倦んだ日々に胸が詰まる思い。
ベルトルッチ監督の語った特定のシーン、ボウイの歌声が流れてきて私は号泣した。
ボウイが俳優として出演した映画もいくつかあるけれど、この『孤独な天使たち』がいちばん忘れられない。
オリジナルの ♪スペイス・オディティ(1969年)
David Bowie – Space Oddity (Official Video)
♪ライフ・オブ・マースがいちばん好きって、昨日書いたけど…
こちらも大好きな曲、いちばんなんて選べない。
ボウイの記事、明日も続きます。
お読みいただきありがとうございました ^ ^