ゆるゆるループ、ときどきジャンプ。

おじいちゃん猫に音楽と映画そして日々の思いも

「パーフェクト・デイズ」でモヤモヤする



地元民はほぼ行くことのない雪まつりが始まり、道路脇に高く積み上げられていた雪の山がキレイに除雪されている。
うちの前の道もすっかりキレイになったけど、それは車道のみのお話で、歩道は以前のまま人が1人歩けるスペースで道がついているだけ。
今日は快晴、どっさり積もった雪が目にまぶしくて、外から室内に入るとしばらく色を認識できないくらいだった。
立春が過ぎても

 

「パーフェクト・デイズ」について考え続けた

 


映画を観終わってからなぜだかモヤモヤと、この一週間を過ごしていた。

いつものようにヴェンダースらしい選曲と敬愛する小津監督へのオマージュのようなシーン(「東京物語」と同じような構図)があったり、いつまでも観ていられるような心地良さ、それで十分だと思いながら…
「こんなふうに生きていけたなら」
まずはそのコピー文にちょっとモヤッとしていた。

平山は僧侶の域なので、あのような暮らしを平山ではない人たちができるはずもなく…
僧侶にはなれない者たちが「こんなふうに生きていけたなら」と思うことがどうにもしっくりこなかった。

贅沢とは無縁の必要最低限の生活をし、トイレ掃除を生活の糧とし、日々の小さな幸せに満足し暮らしている平山の毎日が描かれているこの映画、もうひとつ私が気になってしまったのは毎日見る夢の得体の知れない陰鬱さ…
それでも変わらず朝が来て、植物にお水をあげ身支度を整え、玄関口で空を見上げ微笑んでいる。

平山は夢を一切覚えていないのか?そこに繋がりのようなものは一切描かれていない。
毎日見る夢のシーンによって、平山は過去にかなり根深い何かを抱えていることがわかるわけで、それ以上に説明する必要などないのだろうけど、あまりに何度も夢のシーンが挿入されるため、その意図が何かあるはず…と最後まで思って観てしまった。

もうひとつ。
私はホームレス役田中泯さんの踊りをかなり楽しみにしていた。
それが微妙に遠くでふわっとした感じ、正直「え~これだけ?」って気分に。

そんな3つの私にとってのモヤモヤを考え続けていた。

 

「パーフェクト・デイズ」の中の天使


観る前に映画評論家の見解やヴェンダース監督のインタビューなどは見ないようにしていた。
やっと解禁!ロングインタビューは見ごたえあり。
それにしても映画評ってホントにピンキリ、解釈が違うとか言う以前の「はぁ~っ?」と思うようなものもあり、ちょっとビックリした。

まずはワタクシ、いちばん大事なことがすっぽり抜け落ちていたかも (;^ω^)
ちょっと「都会のアリス」を思わせるような久々のロードムービーのように自分には見えていたのだけど、「パーフェクト・デイズ」はファンタジーだ。

「ベルリン天使の詩」は天使が人間になる話だけど、「パーフェクト・デイズ」は人間の姿をした天使の話なんじゃないかと思うとすべてが私の中で腑に落ちた、そんなの私だけかもしれないけど。

そしてホームレス役の田中泯さんは、この映画の肝となる木洩れ日を表現しているように思え、だから遠くよく見えないところで風景に溶け込みながらチラチラと見え隠れしていたんだなーってことに気づかされた。
見える人には見えるけど気に留めない人には気づかない、それが木洩れ日だとも思うし、その木洩れ日をホームレスで表現するってダブルミーニング?

スッキリしたところでもう1度観たい、特に泯さんの踊る場面を。


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ルー・リード「パーフェクト・デイ」ライヴ。
ステージ横の方で、太極拳みたいなパフォーマンスしている人がいて、なんかちょっとシュール。
コーラスのキレイな声の人は、一時期ゲストでよく一緒に出ていた人、名前忘れちゃった。


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